昨今、多くの中小企業がIT化による業務効率化に注目しています。当社が手がけた業務系管理システムの導入プロジェクトも、そのような成功事例の一つです。本コラムでは、具体的な導入事例をもとに、IT化が企業にもたらした変革をご紹介します。

業務効率化の課題
システムを導入した企業は、オーダーメイド事業を行っている製造業の中小企業でした。同社は、お客様ごとにオーダーメイドのデザイン、内容、セット組、個数などのやり取りと管理が必要で、その管理をExcelで行って、お客様とのやり取りはメールで行っていました。
また、ユーザーインターフェースもあまり良くなかったため、お客様から使い方についての電話対応が多く、これらにより以下のような課題が生じていました。

管理コストの増大:複数のプロジェクト進捗をExcelで管理しており、進捗管理、配送、請求業務に多くの時間がかかる。
コミュニケーションの遅延:情報共有が主にメールや電話で行われ、お客様とのやり取りの確認に手間取っていた。
制作日数の長期化:業務全体の非効率性が原因で、平均30日を要していた。
管理されていない在庫数:材料の在庫管理ができておらず、材料不足になり材料の発注をしてから納品まで30日以上かかってしまい、製造遅延の原因になっていた。

解決策としての業務系管理システムの開発
当社が提案したのは、同社の業務フローに完全に最適化された業務系管理システムの開発でした。このシステムは以下の特徴を持っています。

-お客様ごとの進捗状況の一元管理
クラウドベースのシステムで、進捗ステータスごとの案件をリアルタイムで可視化。全ての関係者が即座に情報にアクセスできるようにしました。

-タスクの自動化
作業プロセスで発生するメール送信、配送伝票や請求書発行作業を自動化。これにより人的リソースを重要業務に集中できるようにしました。

-コミュニケーションの簡略化
お客様ごとに進捗状況の確認ができ、デザインのための素材受け渡しなどのやり取りの履歴を素早く確認できるようにしました。

導入後の効果
システム導入後、同社の業務は大きく変わりました。以下に、主な成果を挙げます。

-制作日数の大幅短縮
 1案件が平均30日かっていた制作期間が17日に短縮。13日分のリードタイム削減を実現しました。
-生産性の向上
 情報の一元化により管理コストが約20%削減され、担当者の業務負担が軽減し、情報の共有ができるようになりました。
-エラーの減少
 手作業による入力ミスや情報の齟齬がほぼ解消され、全体の品質が向上。
-在庫状況のリアルタイムの把握
 制作材料ごとに在庫の閾値を設定し、受注した時点で制作材料から在庫数量を計算して、閾値を下回る場合はアラートを出し、制作素材が切れないようにスムーズに発注ができるようになりました。

成功の秘訣
このプロジェクトが成功した要因は、単にシステムを開発するだけでなく、現場のニーズに徹底的に寄り添った設計を行った点にあります。また、システムローンチ後に実際に使ってみて初めて分かる事もあるので、微修正などを行いました。
現場で「使いやすい」と感じてもらうこと、お客様から使い方についてお問い合わせを激減させること(問い合わせがないようなUI)に注力しました。
開発コストについても補助金を申請することを提案して申請者を紹介して面倒な申請手続きや書類作成をしてもらいました。そうしたことで、実際の開発コストは当初の1/3ので実現しました。

IT化は企業成長のカギ
IT化の取り組みは、業務効率化だけでなく、企業全体の競争力を向上させる大きな可能性を秘めています。本事例のように、課題に応じた適切なシステムを導入することで、生産性向上とコスト削減が同時に実現できます。

当社では、今回のプロジェクトのように、お客様の課題を解決し、目に見える成果を出すことを目標にしています。もし御社でもIT化を検討中であれば、ぜひお気軽にご相談ください。業務改善の第一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?

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